空の青さが沁みたので |
ウォール・ローゼから馬を下ろし、調査兵団と近衛兵団はウォール・マリア内の巨大樹の森へ向かう。 104期生の中に巨人がまだいたという情報を聞いて動揺していたジャンは、班長に許可を得てミカサやアルミンのいる隊列まで移動した。 同期の仲間に会えばまだ落ち着くかと思い探して馬を着けると、彼らはそれぞれが沈痛な表情でありながら殺気立っているように目がぎらぎらしていた。 ウォール・ローゼの上、彼らの目の前でどれだけのことがあったのかは聞いている。 気圧されてジャンは「よぉ」と挨拶するに留まった。 アルミンと二、三の言葉を交わす。 あのさ、と後ろからコニーが小さくジャンに声をかけた。彼にしては随分歯切れが悪い様子だ。 「何だよ。言えよ」 「怒られる、かもしれないんだけど…」 益々声は小さくなる。 気が立っている他の誰にも言えない、でも何か声に出したいことがあるのだろう。 ジャンは馬をコニーの馬の横にぴたりと寄せた。 「俺さぁ、昨夜ライナーに命を助けられたばっかりだったんだよな」 「……そうか」 「アニにも、トロスト区ん時に助けられた」 「…そうだったな」 「あれが嘘じゃないって思いたいのは、俺が、バカだからなのかな…」 ジャン自身、到底頭が追いついていないのだ。 「俺達の104期で、ライナーに助けられてない奴なんて居ないだろ」 そしていつもその後ろではベルトルトが笑ったり困った顔をしていた。 アニだって集団からは少し離れたところにいたけれど、三年間同じ釜の飯を食った仲だ。 「ライナーはそういう奴だったんだよ。正体がどうあれ、そういう奴だったんだ」 少なくともコニーもジャンも、彼らに助けられたことがある。 それは事実で、それが自分の知っている彼らだった。 それを否定することはないじゃないか。 「そう、思う」 同時に、巨人に食われていった仲間の顔も浮かぶ。 頭が痛いぜ、とジャンは大きめに溜息をついた。 「はは、あー、本当にな…」 コニーが少し俯いて笑う。 目端が赤くなっていたことにジャンは気付かない振りをした。 |
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正直これもボツにする予定でいましたが、やれなくなっちゃう前にやっとこうと思いましたのでサルベージ。