少し、








 ライナーを抱えて眠る。
 それは頭部であったり肩であったり手であったりした。
 そうさせてくれないかとベルトルトが請えばライナーは、「何だ相変わらずの泣き虫か」と笑う時もあれば、ベルトルトの不安に心当たりがあるのだろう瞳を歪ませることもあった。
 ベルトルトの知るライナーは後者だった筈だが、どちらもよく知っている気もする。
 5年間、ただの一度も弱音も吐かず涙も見せず静かに静かに狂っていった彼を、自分やアニがどうして責められただろう。
 心細くて泣くベルトルトを、故郷を離れて泣くアニを、ただひたすらに慰めてくれた彼の掌、何もかもを覚えている。彼の何もかもが自分を生かしているのに。
 ベルトルトはこうやってライナーを抱きしめることが彼を幾許でも自分に故郷に繋ぎ止める行為だと信じるしかない。手に力を籠めた。
 ライナーが腕の中で身じろぎをしたが暫くしてまた寝息が聞こえる。
 少し、泣いた。





















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