プロミネント









 トロスト区奪還作戦に当たり、104期生の上位成績者は身を挺して巨人の誘導をすることになった。
 現在ミカサとエレンが出払っている為に、十席に次いで成績の良いユミルが加わった状態で三人一組の班を作る。
 するとユミルは「自分がやり易いから」と、クリスタとサシャを連れてさっさと駐屯兵団に指示を仰ぎに行ってしまった。
 ジャン・アニ・コニーはたまたま固まっていたのをすぐに上官に連れて行かれ、既に作戦行動に入っている。
 よって残ったのはライナー・ベルトルト・マルコである。
「中々贅沢な班になったね」
 少し緊張した様子ではあるもののマルコは努めて明るく喋った。
「はは。宜しくな」
 ライナーは先程までトロスト区内扉を破壊するタイミングを見計らっていたのだが、エレンが巨人になったこと、それを多くの兵士が目撃していたことで随分やりにくくなってしまった。
 だがエレンを主体とした作戦が破綻すればそれはこの上ない好機であり、それを見誤らない為にもベルトルトは現状ライナーと離れるのは好ましくなかったのでこの班分けに安堵していた。
 このところライナーが随分と壁内の人間に囚われていることをベルトルトは危惧していたが、今のライナーは不思議とかなり安定している。しかしそれも戦士としての使命感で何とか持っているような気がしてならず、ベルトルトはこれ以上壁内での兵団生活が長引くのは避けたいと強く考えていた。
 作戦開始からほんの数分で、トロスト区の南方から信号弾が上がった。
 遠方にいるのと夕焼けで色の判別がし辛い。マルコはそちらから目を離さないでいる。
「行ってきていいぞ」
「え」
 ライナーが走りながらにやりと笑った。
「上官には上手いこと言っといてやる。それとも何だ、104期次席三席の腕と口八丁が信じられないか?」
「…いや、これ以上なく安心して任せられるよ」
 ごめんありがとう気を付けて、と言うが早いかマルコは壁を上っていく。
 ベルトルトはちらりとマルコを見やるが、すぐに巨人へと視線を戻した。
 ライナーのことは見なくても距離などすぐ分かる。
「…うっまぁい」
 口八丁とはまさにこのことだ。
 ベルトルトとしてもライナーと二人きりの方が何かと動き易くて助かる。巨人として作戦を進行させるにしても、巨人を屠るにしても。
「惚れ直すなよ」
「あっはっは、それは無理!」
 ベルトルトが珍しく大口を開けて笑った。
 ライナーは一瞬驚いてベルトルトを見たが、何がおかしかったのか彼もまた笑った。
 さてこれから巨人を極力倒さずに、だが上位成績者らしく振舞わなくてはいけない。





















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さてこの班の名前は「ブラウン班」「フーバー班」「ボット班」のどれでしょうか!!どれでも恰好良いな!!
アニメ12話の「キルシュタイン班」が余りに恰好良かったので、じゃあ他の皆はどんな班だったのかな、と妄想した結果がこれだよ!
殺伐としてる中にも不思議な明るさがあったらいいなーとも思いました。

「プロミネント」は英語で「傑出した」「卓越した」「顕著な」といった意味ですが、ドイツ産のバラの名前でもあります。
進撃作品のタイトルを考える時、カタカナのイメージの場合はできるだけドイツ語を使いたいなと思ってまして、色々調べてるうちに行き当たりました。
バラであることといい意味合いといい、花の色がバーミリオンオレンジなのも個人的にとても好みです。