それなんて








 仮面の軍勢の元隊長格に護廷復帰の話が舞い込んだ時
「三、五、九が戻りゃええやろ」
との猿柿の一声に久南と矢胴丸が「そーだそーだぁ」と乗っかった。
 こうなるともう何を言ってもきかない。
 今後の進退をそれだけで済ますのも、と名前が挙がった男三人は思うのだがいざこういう時は女の方がけろりとしている。
 面白がって便乗している愛川に腹が立った。
「じゃあ、まあ、そういうことで」
 山本総隊長より勅命を受けた裏廷隊員に伝える。
 護廷として隊長の席を埋めるのが急務であることは察せられた。
 その戦闘力と過去の遺恨を払拭する目的も含めて仮面の軍勢全員に格別待遇の招致が護廷以外からもあったのだがそれへのヴァイザードの返答は否であった。嘗ては鬼道衆総帥を勤めた有昭田も。
 隊長副隊長揃って虚化し尸魂界を追われた九番隊は六車が久南の身の振り方を気にかけてはいるが
「なに拳西寂しいの〜?」
と全力で笑われる始末だ。
 あれが照れ隠しや寂しい感情の裏返しではないことは六車こそが良く知っている。
 であるからして今とっ掴み合いの喧嘩に発展しているわけで。
「九番隊はお二人で護廷に復帰できないんデスかね」
「せやかて隊首不在の隊を動かしてた副隊長サンがおるんやァよ、隊長代わるからて一方的に降格やらクビやら可哀相やろ。他の隊員からも総スカンちゃう」
 有昭田と矢胴丸の話を聞いて、本来必要以上に発言しない裏廷隊員が口を挟んだ。
「九番は殊に然様ですね。三、五は副隊長続任についてかなり揉めました故に解任は可能だと思われますが」
 思わず平子と鳳橋の目が合う。
「何で?」
「揃って隊長…藍染と市丸にかなり傾倒していましたので。二方には暫く監理が付けられていました」
 斯様な状況ですので、とその裏廷隊員は続ける。
「六車様と九番隊副隊長檜佐木修兵とはすぐ対顔できますよう取り計らえますが、三番と五番の副隊長との対面は一度、感知されない位置より副隊長を一見して頂いてからになります」
 雛森五番副隊長は現在四番隊にて治療を受けつつ執務を再開しており、平子に至ってはそれを覗き見るということになる。
「それなんて無理ゲー?」
「変態」
「へんたい」
「ヘンタイ」
「それでは明日また改めます。こちらに伺う前には予め地獄蝶を飛ばしますので。義骸に関しましては浦原喜助殿に一任しております」
 裏廷隊員は変わらず堅い口調で締め括り、一礼して穿界門の向こうへ消えた。




















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イヅルを遠く目に見るローズが書きたかった筈なんだけどそこまでいってないぞどうしてこうなった!
「それなんて無理ゲー?」って平子に言わせたかった。
仮面の軍勢は愛称じゃないと誰が誰だか分かり辛いですね(笑)。
なんか小説版には仮面の軍勢のその後が書かれているようなんですが、どこまで公式扱いになるのか…。