待ち侘びるひとり、ふたり |
ごとり、という音がその時確かにした。 一応左右を見回すも何も無い。 はて、と吉良の寝台の下に顔を這わせると果たしてそこに吉良の斬魄刀があった。 自力で主の元へ戻ってきたらしい。 聖十字騎士団の襲撃以降慌しさの続く四番隊救護室、その隅での三番隊隊長の奇怪な姿勢には誰も気付かない。 「お前中々根性あるね」 一声かけて鳳橋は吉良の侘助に手を伸ばす。 逃げるかとも思ったが斬魄刀は大人しく鳳橋に捕まられた。 鳳橋は逡巡の後、斬魄刀を吉良の手元に潜り込ませることにした。 「早く起きないかねぇ」 そう言いながらイヅルのことを待つ同志が増えたことに鳳橋は少し気を良くした。 全くだ、とその斬魄刀は言ったかどうか。 |