うたえ、最後の



一度だけ、本当に一度だけ
あいつが弱音らしきものを零したことがある。

俺にできたのは
あいつの顔を俺に押し付けて今この瞬間が過ぎ去った時には
その言葉を聞かなかったことにするだけ。


あいつに棲喰う闇の冥さを
俺がまだ分からなかった頃の話。










2007年2月18日発行の銀高攘夷本『うたえ、最後の』の表紙です。