梢と梢








 ついさっきも銀時が桂と取っ組み合いの喧嘩をしたばかりだ。
 それを見てきゃらきゃらと笑っている高杉に気付いて二人はすっかり戦意をとかれた。
 だというのに高杉ときたら
「もっとやんねーの」
つまらん、などと言ってふいと居なくなってしまう始末。
「昔はあんな子じゃなかったのに」
 二人は塾時代からの同志と坂本にきっちりと怒られて喧嘩両成敗、陣営の隅に正座させられている。
 さて桂は高杉のことをそう言うが銀時が知る限りの高杉はどうであろう。
 高杉は出会った頃から気が向いた時にしか口を開こうとしないのは変わらないが、言われてみれば最初の頃はもっと口をきゅっと一の字に結んで威嚇的にしていることが多かったように思う。
 今や人の喧嘩を見て笑うようになったのはどうかとも思うが、無視されるよりはいいかと銀時も考えてしまう。
「足が痺れた…」
 桂が背筋を伸ばしたまま嫌な汗をかきだした。
 言われて銀時もふと足を気にした瞬間、それこそ落雷が起きたかのような衝撃が足に奔る。
 何てこと気付かせるんだと銀時は隣に文句の一言二言いやもっと言いたかったが、とにかく少しでも足を刺激するようなことはしたくない。
 銀時と桂が見える縁側に高杉が腰を下ろした。目が合うとにやっと笑う。
 ああちくしょー後で見てろよと銀時は泣きそうな気持ちをぐっと堪え、木々が揺れる音に集中しようとした。















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先生のご命日合わせでした。