星の夜 20120820 |
濡縁に体を預けたまに遠くを見る高杉をたっぷり堪能してから、後ろに忍び寄って撫でくりまわした。 「ああもう…この黒モジャ…」 これまでなら盛大に殴られ蹴られていた筈である。 やはり高杉も相当に消耗していることが伺え、坂本は手を高杉の正面に回し空を見上げた。 「あっはっは、お星さんが綺麗じゃなー」 白い明滅が沁みる。 高杉はフン、と鼻で笑うと正面の空から目を離さず告げた。 「出て行く前に一丁仕事をして貰う」 俺の為に死ね。 その声が余りにあまかったので、坂本はつい戦から抜け出すのを躊躇いそうになった。 星の瞬くそんな夜。 |
呼ぶ 20130820 |
繋がる提灯の明るさに浮かれたような足取りで、夜店の前をふらふら歩く。 木に反響して少し遠くに太鼓の音が聞こえる。 そんな己の脇を、子供が数人走り抜けていった。寺子屋仲間が連れ立って来たのだろうか。 すると一人が後ろを振り返って「おおい」と呼んだ。 銀時が後ろを見ると、少し小柄な子供が負けず嫌いな顔を少し見せて彼らの方へと走り出していた。 よく呼んだなぁ、名前で呼ぶことはもちろん多かったが、それこそ「おーい」で十分通じたこともあった。 だから今度会ったらそう呼んでやろうと思った。 「おーい、高杉ィ」 昔のように呼べていれば良いのだけれど。 |