菖蒲の花言葉を知っているか |
いつもは気付いたら母が五月人形を出してくれていたのだがここのところ忙しかったらしく今年はまだ出ていない。明日の休みは自分が五月人形を出すことになりそうだと確かに昨日跡部に言ったような気もしないでもなかった。 「で、何で跡部がウチに来てんの」 「俺様が直々に手伝ってやろうと言うんだ感謝して敬え」 「めんどくさ」 まー入ればーと跡部を家へ招き入れる。できれば家の前のリムジンにはご退却願いたいのだが何だか跡部は今の一瞬にしてしょげてしまっていてそんなこと言っていいものだろうかジローは少し気を遣った。 今更そんな気の遣い方要らないとジローの心を読めたなら跡部は言っただろう。 跡部はそこそこ、というか大変役に立った。 まず納戸から人形の入った箱を引きずり出す時点でジローの背では不都合なことが多かった。 それを畳の部屋まで運び、台を作るのも慣れない二人で何とかできた。一人だったら確実に寝ていたなとジローは思う。 ジローはそれほど五月人形に執着があるわけでもない。ただ母親が「風には当てた方がいいのよね」と情緒ではなく堅実なことを言うものだから可笑しくなってつい引き受けてしまったのだ。 言われてみれば自分が人形を出すのは生まれてこのかた初めてだと思う。 説明書を広げながら眠りそうになるジローを後ろから跡部がはたく。 跡部はすっかり機嫌を取り戻していた。器用に小物を組み立てていく。 「楽しい?」 「あ?あー。こういうのはやったこと無かったんでな」 そうかそうかそりゃそうだ。 立派というわけでもない五月人形だけれど、跡部が楽しいならそれはいいことだ。 最後に空箱をまた納戸へ仕舞い込み、跡部が持って来てくれた菖蒲を生けて柏餅をお供えする。 「ところでジロー聞きたいことがあるんだが」 「何さー」 「何でここだけ色が違うんだ」 跡部が五月人形で隠れた畳を指す。 「俺のヨダレじゃないっすかね」 |
跡部とジローは昔から仲良かったんでない?
という妄想は40.5巻で見事に裏切られたわけですが、まーこれくらい遠慮なく仲良かったらいいと思います。
誕生日の日の話なのに誕生日っぽさが一切ありません。ごめんジローでも愛はある(真顔)。