節分 20050202



 赤也が訊いた。
「真田副部長って節分の豆、何粒食べるんスか?」
 どういう意味かは分からないし分かりたくもないが、一応殴っておいた。
 それを聞いて大爆笑している丸井と仁王、必死で笑いを堪えているジャッカルに柳生も同罪だ。
 蓮二と幸村もそれはしこたま笑っていたのだが、あの二人に同じことはとてもできない(後が怖い)。
 悔し紛れにもう一発赤也を叩いた。












雪柳 20050402



「いい花の季節になってきたね」
 精市が病室の窓を見下ろしながら言った。
「桜にはまだ早い」
「白い花だよ。ユキヤナギ。」
 病室には二人きりだった。
「ユキヤナギが好きだったか?初めて聞いたな」
「言ったことないもの。蓮二と会ってから好きになったんだよ」
「何故」
 どうして自分と会った為にユキヤナギを好きになるという道理になるのだろう。
「だって、俺と蓮二の苗字が入ってるんだよ。いい名前じゃないか」
 ユキヤナギの「ユキ」は「雪」の字だったが―――とは言わないでいた。精市はそんなこと百も承知で、それでも構わないと思っているのだろうから。

 そんな会話があったのが二日前。
 今日、自分がこうやって雪柳を一房持って精市のところへ行くのは、決して大した意味など無いのだ。












桜 20050405


 枝垂桜にはまだ早いが、一般的な桜は咲くようになった。
 弦一郎の家にも桜の木は数本あり、自分はその中でも白い桜が気に入っていた。それを知っているので弦一郎は、いつもその桜の花が咲いたら一番に自分に持ってきてくれる。
 だが他所様の家の花をいつもいつも貰ってばかりなのはさすがに気が引けるし、弦一郎はたまに加減というものを知らないので、彼の祖父が懇切丁寧に育て上げ開花を心待ちにしていた桜の枝を咲いた途端に自分に持ってきてしまうこともしばしばだった。それではあちらの祖父にもご家族にも悪いだろうと、自分に花を寄越すのは満開になってから、祖父殿に許可を得てからにしてくれと弦一郎を説き伏せたのは先日のことだ。
 とはいえ、白い桜は楽しみであるので、今日当たり弦一郎が枝振りのいい桜を持ってくるのではないかと予測をつけ、自分は縁側で待ち人をしている。











言ってくれる 20050925



 今日は、二つ離れたオレとアンタの差が一つになる日。
 きっと言ってくれる「誕生日おめでとう」
 アンタのその言葉が聞きたくて、珍しく遅刻もしないででも気持ちが抑えられなくて走って学校へ行く。
 こういうの何て言うんだっけ。えーと、「オメデタイ」?