モノローグ








 日曜といえど部活はあるので、いつもの通りに家を出るとウチの玄関先で精市が弦一郎に跳び蹴りをかましているところに遭遇した。精市の自宅と学校の位置関係を考えるとこの方面に来るのは手間の筈なのだが、実はこれは特筆するほど珍しい行動でもない。
 あの跳び蹴りの決まり具合からいって精市は今日も好調のようだ。

 学校に着いて柳生に会うなり「お誕生日おめでとうございます」と言われた。さすが紳士。
 少しもしないでまた柳生から誕生日を祝われた。
 二人目の柳生は仁王だろう。柳生の紳士っぷりを舐めてはいけない、柳生はちゃんと一番に言ってきたからな。
 仁王が上手いこと俺を騙せたと思っていたら面白いので暫く黙っていようと思う。バラすなら少し時間を掛けてからの方が良い、悔しさはきっと増幅するだろう。
 柳生が俺を祝っているうちに後ろでまた精市と弦一郎が何事か揉め始めたがこの二人は別にいつも止めてほしいわけではなさそうなので放っておく。

 昼休み、丸井と赤也が早食い競争をしていた。負けた方が帰りにアイスを奢るらしい。
 レギュラーは全員丸井が勝つ方に賭けていたが、勝ったのは赤也だった。何故なら丸井は昼食前に2リットルのポカリを二本空けていた。あれではさすがの丸井の食事ペースも落ちるというもの。
 俺からすれば早食いとか賭けという行為は好ましいと思えないが、何事もやる以上負けはいけないな。
 稼がせてもらったぞ、赤也。

追記。
 負けた丸井が腹いせにジャッカルの残っていた弁当を全部食べ、挙句ジャッカルにアイスを奢るようにと無理難題をふっかけていた。面白いので黙って見ておく。どうせ喧しさに耐えられなくなった弦一郎辺りが丸井とジャッカルと赤也に外周30周だとそろそろ怒号を上げるだろう。





















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柳さんの誕生日合わせで書きました。