そして王様は一人ぼっちになった。








 マーモンは見た目子供でそれに相応した欲の深いところがあったから自分が知らないことがあるのは許せない性質だった。だから何かに勘付くとあいつは自身の能力を使ってそれ相応に調べるのだ。尤も知るだけ知って金にならないと判断したものには歯牙にもかけない様子だったが。

 自分も興味は無い。

 興味は無いが、我らがボスには何か企むところがあってスクアーロがその計画の一端を担っていたのだろうという自分の憶測に確証こそ無いものの思い当たる点ならある。
 あの鮫は殺しが生業で、そういった職業者にありがちな刹那的な思考は確かに持ち合わせているくせをしてどこか遠くを見るような目つきになることがあった。そんな顔をして時折は自分の髪に触れる仕草も見せた。

 彼に似つかわしくない(と自分は勝手に思っている)日の光を反射もしないで透ける長い銀の髪。

 けれど自分が奴の不在を深く知ることになる時ときたらそんな郷愁めいたことよりももっと質が悪い。例えば大股で歩くボスの後ろをやはり大股で追っていた彼のいつも微かに聞こえる筈の足音がしない時。たまにボスが後ろを振り向いて何か言いたげに口を震わせる、その後の目の揺らぎだとか。
 そうやって二人は繋がっていたのだろう。スクアーロは気付かなかったろうが恐らくは雁字搦めで。
 だから自分は奴が見据えていた遠くの、延いてはボスの為ではなくただ自分の誇りの為に死んだことにどこか安堵もした。
 そしてそれ以上にボスへの憐憫を思ってやったりする。





















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あいつが自分の髪を触るのを見ると自分の中が妙にざわついた。