あと








「これでお前のくだらねぇお遊びから解放されるぜぇ」
 以前なら言わなかった筈のことを言う。

 ボンゴレリングの奪還とその理由がイタリア中のマフィアとボンゴレ内に己を真の十代目として認めさせるために行う(つまり必要なのはゴーラ・モスカの暴走、それによる沢田綱吉側のゴーラへの攻撃だった)ことだと知った時からカスザメはそんなことを言う。
 俺に愛想をつかしたのかと思ったがそうでもないらしい。俺から離れるならまず死ぬ筈だ。

 その答えを聞いたのはリングが己の手に入らぬまま倒れ次に目を覚ました、包帯まみれのカスザメが俺の部屋まで来た時。

「だって」
 だってってのぁ何だ、幾つのガキだテメェは。
「だって、アンタが十代目に成るに足らないと思ってない」

「だから認めさせるための工作なんて必要無い」

「アンタが十代目だ、そんなのアンタの力だけで証明できる…」

 馬鹿だ馬鹿だ馬鹿だと思っていたが本当に真剣に正真正銘の馬鹿だ。
 知っていたという、俺がボンゴレの血を持っていないことを。それでもこの馬鹿は工作はいらないだとか俺が十代目だとか今尚もって抜かすし、実際8年間髪を伸ばし続けご丁寧に俺を待っていた。
 目を逸らしてしまえば楽だろうに、いつもぎらぎらとした目をこいつは自分に向けるのだ。

 スクアーロに手招きをしてやった。
 殴るかどうかは、奴がもっと近付いてから決める。
 あと1cm。





















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昔はそうでもなかったけど、ザンさまが8年の凍結から起きてからはいつまでたっても意志の疎通がド下手糞な二人。
早くお互い告白しちゃえば楽になると思うのになぁ(笑)。

そういえばザンさまの野望って結局「目指せ!十代目」だったんだろうか。
骸が「君の考えている恐ろしい企てには僕すら畏怖の念を感じますよ」って言ってたけど何がそれに該当するんだろう。
ボンゴレリングはボンゴレの血以外は拒むと知っているのにボンゴレリングを得ようとしたこと…かな…?
何をいくらやっても覆らないものを壊そうとしている、そのことを骸は言ったのかなー。と最近考えてます。