ジューニョの告白








 スクアーロは自分が死んだら雨になると思っていた。思っている。
 数多の屍を越え、自らも作り出し、まともに墓に葬られた人間を葬列から見送ったこともありながら、一方で誰にも気付かれないまま朽ち果てる様を見てきていながら、自分は死んだら雨になると思っている。
 そうして幾度かはXANXUSの肩を濡らすこともあるだろうから、できたら、たまには思い出してもらえたら、
「いや、本当は早く忘れてくれて構わない」
 それだけを妙にはっきり言うとまたスクアーロは大鼾で床に突っ伏した。
 手には安物のワインボトル。
 スクアーロがXANXUSの傍を離れないのはスクアーロの我儘だ、とスクアーロは考えている。
 XANXUSの怒りの炎をただただ信じ、彼に燃え続けるよう望むことしかできない自分は彼をいつか焦がしてしまう。実際、日本でそうなった。
 それでもスクアーロはXANXUSから離れられない。
 XANXUSにとって自分は過去の遺恨や憤怒を忘れさせない要因にしかならないとしてもだ。
 だから本当は、自分のことなんか早く忘れて楽になった方がいい。
「あのさー王子さー、そらスクアーロがボスより遅く死ぬなんてわきゃないなって思うんだけどさー」
 さっきまで机でのびていたベルフェゴールが大声でまくしたてる。
「それでもボスがスクアーロより長生きすんのってほんの1秒とか2秒とかのハナシっしょー?」
「奇遇ね同じこと考えてたわ」
 まだ余裕のあるルッスーリアが手元のグラスから少し口を浮かせて同意する。
 外はこの季節には珍しい豪雨だった。
 XANXUSはそれを何も言わず見ている。




















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アップするの6月まで待とうかなとも思ったんですが、せっかくなので上げます。
梅雨のこと考えながら書いたのでタイトルにジューニョ(6月)と入れましたが、イタリアは四季がある中で雨が多いのは秋だそうですねー。